2.国家総合職院卒工学区分体験日記 一次試験編
タラバの切り身です。当ブログは毎週日曜日に更新とさせていただきます(今決めた)。
それでは、序文
国家総合職院卒工学区分体験日記 序文 - tarabanokirimi’s blog
でドタバタと始まった私の国家総合職受験記、一次試験まで述べさせていただきます。
本格的に試験勉強を始めたのは序文の通り4月の中旬、一次試験2週間前。民間での採用試験の失敗と相まって総合職試験を通じてここが一番精神的に苦しかったように感じる。
合格点について
先に合格点の話を。一次試験は択一試験で基礎能力試験が30問、専門試験が数学物理20問、専門選択20問の計40問。それぞれで足切りラインとして大体3割が設定され、点数が一方でもそれを下回ると片方が満点でも容赦なく不合格とされてしまう。また、その足切りラインを超えただけでは合格にはならず、さらに相対的な評価で合格点が存在するみたい。これは大体5、6割の点数と考えておけば良いらしい。ボーダーが5割程度と考えると、得意・苦手な分野にかける勉強量の軽重差を多少大きくしても突破できる見込みが...ほら、出てきたでしょう?
ただし、国家総合職試験全体として考えると、点数を取っておくことに越したことはないという感想。これは、勉強で伸ばせるところで点を稼ぐ方が確実であるという理由と、精神衛生上の理由から。
総合職試験は一次、二次試験の点数全体を基にして最終合格者が決まる。このとき、一次試験の配点比率は5/15、実に1/3の点数を占める。一次を突破すると今度は専門の記述試験があり、これが5/15、そして政策課題討議試験(大卒程度だと論文試験)と人物試験(面接)があり、それぞれ2/15、3/15となる。政策討議や人物試験は人が介入するため受けた評価が正直まったくわからないし、俗説としてどちらも受験者の半分は真ん中の評価(C判定)をいただく、という話もあるように(著者のネット検索による)。これらの試験を得点源と考えるのは建設的ではない。
もう一つの理由としては、これはもっとわかりやすくて、一次試験の翌日には解答速報が公開されるので自己採点ができる、すなわち、今後における指標ができるということ。ここで、点数を稼いでおけば多少二次の専門記述試験にゆとりが出て来るし、ゆとりが出ているときに省庁に関する研究を行えば、他の受験者に先んじることが可能になる気がする。逆にボーダーギリギリの点数を取ってしまうと、そもそも受かっているのかどうか、という不安が付きまとうことになるので、その後どの合格発表前にも悶々とするはめに(著者の経験による。)。
なので、一次試験では確実に点数を稼いでおくことは後々の戦略に有利に働く、はず。
では話を戻して、一次試験の科目ごとに見ていきましょう。
基礎能力試験
この科目に関しては大卒区分の試験が40問に対して院卒区分が30問と、試験時間が同じにも関わらず問題数がガクッと下がるので、科目の絞り込みはしやすい&考えて解答できる。
自然科学や時事は特に問題数が少ないので勉強時間としては切る対象になってくる。
自然科学や時事は特に問題数が少ないので勉強時間としては切る対象になってくる。
数的処理・判断処理等(参考程度)
ここは、地方や一般職の問題が中心で、一部総合職の問題も含まれる、という構成の、下のような一般的に売られている地方上級の過去問集や公務員対策問題集を使用。しかし、基礎的なものばかりに触れて解けた気になってもダメなもので(当然)、後述のように本番でかなり失敗している。人事院の過去問請求や大学の就職課にある過去問などを利用して、実際に、総合職の、問題を見ることが大事です。総合職の、問題を見ることが大事です(大事なことなので(ry
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国語・英語
国語に関しては高校時代の得意科目が国語であったこともあり(なぜか理系に進学)特にしなかった。英語については試験2週間前という状況だと単語や熟語の勉強をしても時間が無いしここで足掻くより他の勉強を優先させた方が良いと判断。国語、英語、どちらにおいてもセンターレベルの要旨判断的な問題がメインなので、一応、高校時代に勉強した文章の長さが中文程度の参考書を利用して理系科目の合間に少しだけ解いた。
一応、高校時代に使った参考書をご紹介。現代文はこの参考書に載ってる方法でかなり点数が安定して取れるようになったけど、今回の試験に対して即効性があるかと言われると正直微妙。近くに大学受験を控えている人がいたら、薦めてあげてください。
英語はこれ。
時事や自然科学(物理生物化学)
『速攻の~』シリーズ参考書を大学の図書館で借り、電車内で読んでいた。ただ、得点源としてはあまりに小さいし、勉強するだけ伸びる可能性の高い数的処理、判断推理を重点的に解くことをとにかくおすすめする。
専門試験(工学に関する基礎(数学物理)+専門科目(機械))
全体の流れ
専門試験は、工学に関する基礎(数学・物理の問題)必須20問と、大学・大学院で専攻してきた選択問題を20問、これを4~6科目で解く、という流れで行われる。選択問題の中には中高の実験で行ったフラスコやビーカーの使い方や基礎的な化学式、回路の問題なども含まれている。また、材料力学と構造力学のように、分野が被っていてどちらかしか解けないよう指示されているものもある。なので、勉強した分野が手ごわくても他の分野の問題から得点することは十分に可能。実際私も、材料力学ではなく構造力学を解き、さらに20問に達していなかったので他分野の問題からも数問解答した。
それと一次試験は択一試験なので、完全に解答するのではなく、ある程度解答から判断することを考えた方が時短になるし、案外解答から類推して解ける問題もある。
工学に関する基礎(数学物理)
数学物理については数学は偏微分、平面座標を中心に、物理は特に勉強していなかった。というのも、数学の確率や図形的な問題は数的処理や判断推理、物理の力学問題は機械力学に被っているから。
専門科目(機械)
私は機械が専攻なので、四力(材料力学、機械力学、流体力学、熱力学)を勉強した。入手した過去問からある程度の傾向を把握して、その類題を大学で使っていたテキストで抑えていくと良い。これは、問題数をこなす目的もあるが、過去問に解答が無いことが大きい。大学の講義プリントなんかを残していればそちらも。ただ、私の場合、機械専攻でも四力の中で得意不得意、そもそも専攻していない、という科目があった。そこで、基礎的な分野は全体的に抑え、後は材料力学と熱力学を中心に解いた。
参考書としてはスーパー過去問ゼミというものが区分ごとにあり、機械もあったので、これを確認するのも良いかと。
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一次試験当日
指定された大学で行われる。私は家から1時間程度の大学で受験。当日はまず専門試験から始まるので要注意。専門試験のまず専門科目をざっと解いたあと数学物理に戻り、その後穴埋め的に解答数を稼ぐ努力をした。ちなみに科目数制限、解答数があるので、マークした問題や数はどこかにメモを取るか問題番号にチェックを入れるなど念入りに確認した方が良いかと。
昼休みを挟んで基礎能力試験。昼休みは事前サーチしていた近所のラーメンを食べて、直前の復習はまるでせずにリラックスすることに努めました。専門試験で結構消耗しているので休むという選択肢も十分ありかと。こちらは、時事問題→国語→英語→数的・判断処理等の順に解いた。これは、時間のかかる計算問題を後回しにして時間調整を行えるようにしたかったから。ちなみに問題を解くまで問題数が30問だと知らなかったのはいい思い出です。
一次試験結果
自己採点で基礎能力試験が5割、専門試験が6割と恐らくボーダーライン。特に基礎能力試験において数的処理はゼンメツ。思わず爆笑した後、真顔で冷汗たらしてました。時事問題で偶然点数を稼げていたこと救い。正直一次試験の合格発表前は受かっている気がしなかった。前述のボーダーギリギリでの不安感、というのはマジで経験談。何事も早めにやっておくことに越したことは無い、と実感した(やるとは言ってない)。
その後合格発表があり、なんとか一次試験は突破していた。
さて、二次試験まで2週間と少し。専門記述対策が始まりました。
続きます。来週日曜日に更新予定。
※追記
・・・予定でしたが多忙のため次回更新は延期します。